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サラリーマンパパが娘と私立小学校合格を目指して取り組んだ12のこと&合格までの記録

フェリー欠航で島からどう脱出するか?置いてきた車の駐車料金が10780円の衝撃

 

男は大きく揺れる船の甲板で船酔いに襲われていた。

船酔いのつらさを経験したことがあるなら分かるだろう。内臓がひっくり返るようなあの地獄を。

船酔いのつらさを少しでも改善するために、体感温度5℃の船外で風に当たり続けた。

体が芯から冷えることによって船酔いが少しでもマシになるかと考えていた。

しかしそんな事はなく、酔いに加えて、冷え切った体はブルブルと震えた。

「なぜ、こんなことになってしまったのだろう。」

この春休みは娘の友達家族と伊豆、大島へ行った。

東京竹芝から大島へは高速船で1時間半ほどで到着する。

今回、我々は熱海の港に車を止めて、そこからフェリーで大島に滞在していた。

この日は曇り空で、気温も低く、時折小雨が降っていた。

それでも三原山を登り、火口散策するには支障のない程度の天気だった。

翌朝、ホテルで朝食を食べていると館内放送が流れた。

各ホテルには無線の受信器があるのか、町内放送のような音割れがするスピーカーから、このようなアナウンスがされた。

「本日天候の影響で全ての高速船は欠航となりました。」

「詳しくはフェリー乗り場で確認してください。」

え?
なんだって?

ちょ待てよ。

キムタクじゃなくてもそう言っていただろう。

我々は午後の船で熱海へ戻る予定である。

お受験を頑張った次女のリクエストで、今日はサンハトヤホテルに宿泊することになっている。

伊東に行くならハトヤ♩

である。

 

なぜハトヤホテルなのか?

それは室内温水プールがあるからである。そして巨大水槽で泳ぐ魚を見ながらお風呂にも入れる。

プールがないならもっと落ち着きのある、部屋食の宿泊先を選択したい。

しかし、年長児と小2の家庭にそんな選択肢はない。

伊豆で泊まるホテルはハトヤしかないのである。

しかし、熱海へ行くフェリーが欠航!

どうしたらいのか?

このまま島に取り残されてしまうのか?
今日泊まるはずのハトヤホテルはどうなってしまうのか?

子どもの前ではいつだって頼もしいパパを演じているが、内心は

「どうしようーハラハラ汗汗」

である。

ドキドキしながらフェリー乗り場の窓口で確認すると、高速船は欠航だが、大型フェリーなら午後便がやってくるそう。

さるびあ丸だ。

席も空いてるし、差額もほぼ発生せずにチケットを変えてもらうことができた。

これで一安心。

と安堵し、その後はほぼ無人の動物園を満喫し、大島で市場を独占しているアイスクリーム屋さんへ。競合他社がいないし、もとから市場規模が小さい。

地元ならではの謎のフレーバーアイスを食べながら、フェリーの時間を確認する。チケットをじっくりみて、愕然とした。

このフェリー東京行きと印字されている。

東京?

熱海ではなく、竹芝行きだったのだ。

島に取り残される心配のあまり焦っていてちゃんと確認してなかった。

「このフェリー熱海へ行かないのか!」

なってこった。

車は熱海港に置いてあるのだ。

航路を見ていただきたい。

大島から熱海は45分である。一瞬で到着する距離だ。

そして、大島から竹芝までは最短で6時間。

島に残っても翌日、熱海行きの高速船が運行するかも分からない。

我々に選択肢はなかった。

東京・竹芝に到着するのは夜7時半。
そこら新幹線で熱海へ戻ってもハトヤホテルは満喫することができない。

そう子ども達に伝えると、4人の子供のうち1人が泣いた。

とても楽しみにしていたからだ。

それはパパもわかる。
パパだって、なんとかここからハトヤへ行きたいんだよ。
でも無理なんだ。

すまんよ。パパが富豪なら自家用フェリーやヘリでヒューンと行けたのに。

落ち込む子どもたちに、大型フェリーの動画をみせると、なにやら面白そうに見えたのが、フェリー早く乗りたいと言い出した。

この気持ちの切り替えスピード。
ジャック幼児教室で鍛えられたおかげか。

「泣いてもいいけど、言われた課題はなんとしてもやるんだ!」

という強い気持ちを持ってください。

そう体操の先生が厳しく指導してくれた。
当時は苦手だった先生も過ぎてしまえばよい思い出。

始めての大型船に乗り込むと娘たちは船内をウロウロし、売店でお菓子屋とアイスを買い、船外デッキでカードゲームをしながら楽しく過ごしていた。

一方その頃パパは

浜辺に打ち上げられたビニール袋のように、船酔いでグデングデンになり船外デッキで横たわっていた。

大島を出発してからまだ30分しか経過していない。

陸にたどり着くまでに残り6時間・・・絶望していた。

できることは意識をぼんやりさせることと風にあたることだけだった。

頭と臓器はグルングルン。身体は外の風で冷え切っていた。

そこからほとんど記憶がないまま竹芝に到着した。7時間弱の船旅で憔悴し、この状態で熱海へ戻るエネルギーは残っていなかった。

この日は一旦自宅へ帰ることとなった。そして2日後、新幹線で熱海へ向かった。

伊豆宿泊旅の後半戦だ。

ハトヤホテルは、当日キャンセルはできないが、宿泊日をずらすことは無料できるので、ありがたかった。

旅が前半と後半に分かれることなんてあるのか?

木曜 東京→熱海→大島
金曜 大島→東京
土曜 東京
日曜 東京
月曜 東京→ハトヤホテル
火曜 熱海→東京

この移動距離と時間は無駄なように思えたが、子ども達が楽しければそれでいいのである。

なかなか理解が進まない娘の四方観察や願書書き直し無限地獄に比べたら、コメダのシロノワールを食べるくらい簡単なことだ。

パパは船酔いで記憶がない間に子どもたちは絶対ゴミになる船のキーホルダーやストラップを買っていた。みんなでお揃いにするのだと言う。(翌週には部屋の隅に放り投げられていた)

もう島には宿泊したくないというトラウマが芽生えてしまったが、なんでも面接のエピソードに使えるんじゃ?
というお受験対策の無理やりポジティブ思考で気持ちを切り替えることができた。

娘が希望していた「お受験頑張ったご褒美」の1つ、ホテルと温泉は完了することができたので、忘れないようにここに残しておきます。

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追記
熱海港に置いといた車、五日分の駐車場料金が10780円だったことはママには秘密である。

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